速水林業の林業塾を受講したことで、もう一つ大きな関りが生まれたのが、「FSCジャパン」です。正式な会の名称は「特定非営利活動法人 日本森林管理協議会」で、速水社長が日本で初めて森のFSC認証を取得したこともあり、森林認証を推進していこうと設立されたばかりの団体でした。FSCは「Forest Stewardship Council」の略で、簡単に言うと、森のエコラベルをつけた製品を普及させることにより、消費者とともに森を守ろうとする運動です。マークの表示には、持続可能な森林経営を行っていると第三者から認定を受けた森の木材を使い、そうでない木材と区別して管理できるという認証を受けた事業者のみの手を経て運搬・加工された木材製品であることが必要で、厳しい審査があります。
FSCジャパンのホームページには下記のように記載されています。
『当団体は、国際的な森林認証組織(国際本部 ドイツ・ボン)である「FSC」から正式に承認を受けた日本の代表する組織です。
私たちは、世界のFSC本部と日本をつなぐ唯一の機関として、FSC森林認証の理念を日本に広め、FSC認証製品が日本の消費者に届く、そんな社会の確立を目指し、イベント、キャンペーンやセミナーの開催など日本国内でFSC認証制度のプロモーション活動や、各種チャンネルを通じた日本政府などへのロビー活動、そして、規格・指針改定情報の発信など日本の認証取得者の支援を積極的に行っています。』
この団体の理念に共感し、設立当初から数少ない個人会員として、ずっとボランティアで活動に参加してきました。
現在はドイツ本部からの活動資金もあり専従スタッフを複数名抱えている団体ですが、当時は予算もほんのわずかで、事務局長もご自身の本業と掛け持ちしながらイベントなどの運営に当たっていました。その方と一緒に、事前の名札づくりやら、当日の会場設営、マイクや照明の担当、終了後の後片付け、時にはモックンという木の妖精の着ぐるみを着て宣伝に歩いたこともあります。
メーカーが消費者の声に敏感な紙製品には、FSCマークは徐々に浸透していきましたが、木材製品は関わる事業者が多くて管理が大変な上、費用をかけて認証を取得しても、認知度が低くて取引上の優位性につながらず、普及は足踏み状態でした。
近年、SDGsに関する知識が社会に広まり、そこでFSCが取り上げられたことで、従来にないほど関心が高まっています。この機会に、認証林の拡大や認証取得事業者の増加、そしてFSC木材製品が消費者の目に触れ、購買につながる流れができていくことを願っています。
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