文月ブログ

ブナの森の再生①

杉を伐った後、そこに何を植えるのかは結構悩ましい問題のようだ。杉の生育の良い場所で搬出もし易ければ、同じ杉を植えるのが普通だろうが、そうでない場合は難しい。杉を植えれば、最初の5年は下刈り、混んで来たら除伐(間引き)などが必要で、間伐をせずに放置したとしても、収穫を期待できるまでに5~60年はかかる。かと言って、手をかけずに天然更新で広葉樹の森にしようと思っても、高木を含む森になるような樹種が生えてくるかはわからない。天然更新が可能かどうかは、現在の森に実生の稚樹があるかどうか、それを確認することが大事だそうで、伐る前に良く観察しなくてはいけない。
今日は長野県の木島平で、ブナの稚樹を斜面に移植する作業に参加する。ブナは森のダムと呼ばれるほど保水能力が高く、多くの生命を支える存在だが、成長はとてもゆっくりだ。純林にこだわる訳ではなく、楓や桜など、近くの森から若木を掘り取って植えても良いらしい。
多くの人が手を貸すことで再生する森、それは人の体の奥底に潜む、森の中で生きた祖先の記憶と響き合い、豊かに繁るに違いない。

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