ある森林組合を調べていて、その事業内容が多岐にわたることに驚いた。森林整備や木材販売以外に製材加工や木工を手掛ける組合は珍しくないが、プレカット事業も行い、工務店と連携して地域材の住宅を提供している。他に原木しいたけの栽培と販売、薪の予約販売、森林セラピーやキャンプ場の運営まで。それを25名程度の従業員でこなしているようだ。
小さな組織ほど、一人がより多くの技能を身に付け、自分の責任範囲以外の仕事にも目配りし、全体がうまく回るよう自主的に動かなくてはならない。この森林組合がなぜここまで事業を拡大したのか、どうやってそれを継続しているのか、将来的な見通しはどうか、直接会って話を聞く予定だ。
知人の林業家は、自分も社員も機械関係の資格を取り、高性能林業機械が故障してもメーカーの技術者に頼らないばかりか、自分達で機器の改良まで行っている。山で生きていくためには、多能な人材の育成がカギになるのだろう。
「自分でできることが増えるほど自由になる。」昔誰かに言われた言葉を思い出す。大企業の中で甘え、都会のインフラに支えられてきたひ弱な自分が、人口の少ない地方で生き残ってきた人々の知恵と姿勢を自分の糧にできるのか、覚悟して臨みたいと思う。
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