文月ブログ

森を巡るショートトリップ-サルスベリ(百日紅)

サルスベリは夏から秋にかけて花を咲かせる木です。リョウブやヒメシャラと同じように、コルク質が剥がれて表面がツルツルなので、猿も登れないということからこの名前がついています。父が申(サル)年生まれだった我が家では、猿が滑るというのを嫌って、百日紅(ひゃくじっこう)という別名で呼んでいました。
一本の木に長いこと花が咲き続けるのでこう呼ばれたのですが、その理由は枝の生育にバラつきがあり、早い枝と遅い枝の差があることが原因のようです。桜のように、蓄えたエネルギーを樹木全体に漲(みなぎ)らせ、一斉に咲いて散る花は、見る人に強い印象を与えます。一方で、長く咲く花は風景の一部になり、色鮮やかなのに意外と記憶に残りにくいのかもしれません。
サルスベリも、実は桜と同じように、日本列島を南から北へ、北上しながら咲いていくと聞いた事があります。しかし、特に今年のように、6月に猛暑が来て、7月に梅雨に戻ったような長雨がある、異常な気象の場合は、そのような北上は見られないかもしれません。
生育に偏りがあり、全て咲き終わるのに時間がかかる、それはまるで私自身の姿と重なるようで、夏の強い日射しの下で咲くサルスベリを見かけると、思わず「頑張って」と声援を送りたくなるのです。

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