森林列島再生論 日経BP
リレートーク① 森林列島再生論
リレートーク② 鹿児島大学 農学系教授 寺岡行雄氏
リレートーク③ 森林列島再生論 酒井秀夫先生
リレートーク④ 森林列島再生論 高口洋人先生
リレートーク⑤ 森林列島再生論
日本政策投資銀行 経営企画部所属参事役 松本晃氏
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ウッドショック、ウクライナ危機…日本の森林資源をどう生かす?
3本の矢を放てば、森林が数百兆円の国富となる
① デジタル技術による国産材サプライチェーン1000カ所構築
② 木材を廃棄せず、木質バイオマス燃料に安定供給
③ 丸太や製材ではなく、サッシ、断熱材を組み込んだ木造建築部品として輸出
カーボンニュートラル時代、「森林列島・日本」を再生する事業プランを提示
日本は森林面積が国土の3分の2に及ぶ森林大国。だが、これまで木材を輸入に頼ってきたため、国内林業は衰退し、木材産業や建築業、不動産業とつなぐサプライチェーン(供給網)も分断されてしまった。そうしたなか、国際的な木材の供給不安が発生、木材価格が暴騰する「ウッドショック」と呼ばれる事態を引き起こしている。直近ではウクライナ危機を受け、さらに先が見通せなくなっている。
森林大国の日本にとって、豊富な資源を生かさない手はない。本書は、森林という資源の現状とその未来を問うものである。「森林列島」を再生するために、林業や林産業ではなく森林産業を構想し、国土を有効活用する事業案を起草する。
【目次】
森林列島・日本の今(グラビアページ)
はじめに
森林列島を巡る旅を始めるにあたって
第1章 森林列島再生論序説
第2章 森林と建築をつなぐ
第3章 木材と建築生産、情報システムをつなぐ
第4章 森林と金融をつなぐ
第5章 森林とエネルギーをつなぐ
第6章 森林とサプライチェーンをつなぐ
第7章 森林列島を巡る旅を終えて
おわりに
【執筆者紹介】
塩地 博文(しおち・ひろふみ)
ウッドステーション株式会社 代表取締役会長
三菱商事建材 開発事業部長を経て、2018 年にウッドステーションを起業し、現職に至る。商社時代に建築素材「モイス」を開発、続いて、在来木造のプレファブ化を体系化した「木造大型パネル」の開発に成功する。大型パネル開発に併せて「仮想木材理論」を構想し、国産材サプライチェーンのデジタル化を提唱する。
文月 恵理(ふみづき・えり)
株式会社森林連結経営 副社長
旅行会社勤務の傍ら、箱根で 20 年近くパークボランティアの活動・会報誌の編集に携わり、日本の森林・林業の現状に危機感を抱いた。林業塾・国産材ビジネスセミナーの受講などを通じて各地の林業・木材業について学び、現在では、林業・建築・バイオマスのデジタル連携を図る「森林連結経営」の推進に向けて活動中。
高口 洋人(たかぐち・ひろと)
早稲田大学 理工学術院 / 建築学科・建築学専攻 教授
1970 年生まれ。早稲田大学助手、九州大学特任准教授をへて、2007 年から早稲田大学准教授。
現在に至る。木造建築と林業・林産業の連携、サプライチェーンの効率化に取り組む。建築物の省エネ、脱炭素化、建築の社会システム論が専門。エネマネハウス 2015 最優秀賞受賞チーム代表。
第 24 回木材活用コンクール【未来の山創り賞】受賞。
松本 晃(まつもと・あきら)
日本政策投資銀行 経営企画部所属参事役
慶應義塾大学商学部卒。1991年に旧北海道東北開発公庫(現 . 日本政策投資銀行)入庫。2018 年より森林ビジネス推進業務を担当。2019 年「森林サービス産業」検討委員会(林野庁)委員、2021年「林政審議会」(林野庁)委員および一般社団法人日本木質バイオマスエネルギー協会理事、2022 年「森林・林業・木材産業への投資のあり方に関する検討会」(林野庁)委員などを受嘱。
森林の未来を金融力でデザインする活動に従事。
酒井 秀夫(さかい・ひでお)
東京大学 名誉教授、日本木質バイオマスエネルギー協会 会長
宇都宮大学農学部助教授、東京大学秩父演習林長、北海道演習林長、大学院農学生命科学研究科森林利用学教授などを経て、東京大学名誉教授。現在(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会会長。「持続的森林経営における森林作業」を柱に、作業システムと林内路網計画、森林バイオマス資源の収穫利用をテーマにした研究を展開。主な著書は「作業道-理論と環境保全機能-」「林業生産技術ゼミナール」「世界の林道(共著)」「木質資源とことん活用読本(分担執筆)」など。
寺岡 行雄(てらおか・ゆきお)
鹿児島大学 農学系教授
1994 年3月九州大学大学院農学研究科博士課程修了後、九州大学宮崎演習林(椎葉村)に助手として勤務。1997 年 4 月から鹿児島大学農学部勤務、2013 年 2 月教授、現在に至る。主な研究課題は、農林業への ICT の活用、森林資源のバイオマスエネルギー利用、低コスト林業の構築など。
近著に「ICT 林業の最新技術(林業改良普及協会)」があり、スマート林業の推進に取り組んでいる。